公開日: |更新日:
切削加工などを行っている工場では、工作機械の浮上油が原因となって悪臭を放つといった問題があります。悪臭の原因や対策の方法、解決事例などをまとめて紹介します。
工場の油が腐ることで発生する悪臭は、様々な問題を引き起こします。悪臭対策を実施しない場合に問題になることについて、ここで確認していきます。
工場に勤務する作業員は、悪臭がする環境に長時間さらされることになります。作業員は、悪臭を吸うことで吐き気を感じることや集中力が低下することもあります。こうした作業員の健康問題は、一時的なことだけでなく、作業の停滞が慢性的になることで、工場の稼働状況にも影響を及ぼす可能性もあります。
工場の油の腐敗による悪臭は、周辺住民に影響を与えます。国は悪臭防止法を定めているため、対策を求めています。工場周辺住民の苦情に対して対応が不十分であれば、訴訟に発展する可能性もあります。また、こうした悪臭によるトラブルがメディアで取り上げられると、企業イメージの著しい悪化につながります。
油の腐敗による悪臭は、作業員の日常生活にも影響を与えます。作業員の髪や服にも腐敗臭が付着するため、車や住宅にも臭いを持ち帰ってしまいます。こうした臭いが日常になれば、作業員の尊厳を傷つけてしまいます。また、そうした工場には作業員が定着せず、工場の稼働にも影響を与える可能性もでてきます。
工場内に漂う不快なニオイ。一因は、工作機械の潤滑油や作動油などが水溶性クーラントタンクに混入し、液が腐敗することで生じるものです。
浮上油(潤滑油や作動油など)は、嫌気性のバクテリアを増殖させ、悪臭の一因となる硫化ガスを発生させます。また、浮上油がクーラント液面を覆い空気が遮断されると、バクテリアは液中の浮遊物を養分にして増殖。こうして、クーラント液の腐敗が進んでいくのです。
高温になりやすい工場の場合、嫌気性のバクテリアがタンク内で増殖しやすく、室内に強烈な悪臭(腐敗臭)を発します。
悪臭を除去するには、古いクーラント液を廃棄して新しくするという方法があります。しかし、これだと時間も手間もかかりますし、環境に影響を与えないよう廃棄処分するための費用も膨大になり、効率的な方法とはいえません。
そこで、液中に混入した油分を浮上油回収装置で取り除くという方法が効率的です。クーラント液に混入した潤滑油や作動油などをできるだけ早く除去し、嫌気性のバクテリアが増殖しにくい環境にすることが、悪臭を抑える近道といえるでしょう。
また、クーラント液の状態を改善することにもつながり長持ちさせられますから、廃棄処分量を抑え、処分コストの削減も期待できます。
鋳物加工メーカーA社では、浮上油を発端とする悪臭に悩まされていました。あまりにひどい悪臭は採用にも影響を与え、面接に来た学生が悪臭を理由に内定を辞退することもあったそうです。
そこで、液中に浮遊する浮上油や鋳物粉を回収する装置を導入。浮上油回収装置により、盛夏でも工場内に悪臭が漂うことが少なくなり、作業員からも喜ばれているそうです。
浮上油回収装置を導入することで悪臭のもとを断てるため、工場環境の改善や廃棄処分コストの削減など、さまざまな恩恵を受けられます。
もちろん、浮上油回収装置を導入しただけでは、悪臭を完全に防げるとは限りません。回収効果の高い装置を選ぶことに加えて、クーラントタンクを定期的に清掃するなどメンテナンスもしっかり対応することが大切です。
次のサイトを参考にしました。
悪臭や機械停止などのお悩みは、浮上油だけが原因ではないことも。
そこで、様々な現場に広く答えてくれる浮上油回収装置の中でも、デモ機レンタルで導入検討ができる製品ラインナップを厳選しました。
浮上油回収に必要な機能を備えた小型仕様。
狭いスペースでも収納が可能