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油吸収材は床や水面の油を吸収することができますが、浮上油回収装置との違いは何でしょうか?そもそも油吸収材とはなにかから、油吸収材の種類、浮上油回収装置と比較した時の処理方法やランニングコストなどの違いを紹介します。
油吸収材(油吸着材)とは周囲の油を吸着して内部に取り込むもののことです。シートタイプやチューブタイプのほかマットタイプや粉末状までさまざまなタイプがあります。
油吸収材は用途によって使い分けることができ、たとえば水に浮いた油を吸着する場合には綿状やマット状タイプが向いています。また、土壌や床面にこぼれた油を回収したいときは粉末状タイプがおすすめ。用途に応じて使い分けながら油を回収できるのが油吸収材の強みです。
ロール状やカット状のものがあります。ロール状は通路などの濡れた油を回収するのに便利。広い範囲をカバーできます。また、カット状は少量の油を吸着させるのに向いており、作業台や機械周辺の油を除去したいときにおすすめです。
流出した油をまずはせき止めたい!というときに便利なのがチューブタイプの吸収材です。筒状の袋に吸収材が詰めてあるため、足元に設置しても邪魔になりません。また、曲げたり巻いたりといった形状の変化も自由にできるのもメリット。機械周辺に油が流れ出たときでも、流れをせき止めながら吸収してくれます。
工場の出入口や機械周辺の床に設置すれば、作業員の靴に付着した靴底油も吸収してくれます。床の色に合わせられるよう複数カラーを用意しているメーカーもあります。
油で濡れた床や地面に向いているのが粒状タイプ。床面に粒状吸収材を散布すれば油を吸収してくれます。なお、粉末タイプの粒子の細かいものであれば、タイルの目地やアスファルトの凹凸に入り込んだ油も吸収可能です。
油吸収材は油で床や地面が濡れやすい環境に適しています。
などが挙げられるでしょう。各施設のどの場所で油を吸収したいのか、油の量はどのくらいかなどの状況によって選ぶべき形状が異なります。
浮上油回収装置がベルトやフロートなどで油を回収するシステムであるのに対し、油吸収材はシートやチューブなどの吸収材を用いて油を回収します。
浮上油回収装置ではクーラントタンクや排水槽などに浮いている油を回収します。広く使われているベルト式では、回転するベルトに油を付着させて分解・回収。
一方油吸収材では油の上に設置した吸収材が油を吸着します。たとえば浮上油の回収では、シートタイプなどの油吸収材を水面に浮かせて油を回収します。
浮上油回収装置の導入費用は安くないものの、導入後にランニングコストが削減したという声が多くあります。浮上油回収装置の導入によってクーラント内がキレイに保たれ、フィルターの交換回数を大幅に削減できます。
一方油吸収材には安価な商品がたくさんあり、導入にかかる費用を抑えられます。ただし一度使用したら再利用はできないため、長期的な視点で考えると浮上油回収装置の方がコスト削減につながるでしょう。
浮上油回収装置で分離された油は資源として活用することもできます。産業廃棄物を減らせるためコスト削減にもつながります。
一方、油吸収材は使用したら産業廃棄物として処理する必要があり、使い捨てです。
浮上油回収装置と油吸収材の違いとして、「回収速度の速さ」も挙げられます。油吸収材は比較的ゆっくりと油を回収しますが、浮上油回収装置はスピーディーに油を回収できます。そのため大量の浮上油でも素早く回収できるでしょう。
浮上油回収装置は全体的なランニングコスト面にも優れていますから、「産業廃棄物を減らしたい」「クーラント液を長持ちさせたい」「大量の油をスピーディーに回収したい」という場合におすすめです。
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