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浮上油回収装置は排水処理や環境問題に大きく関係しています。排水処理設備のトラブルや水環境の悪化の原因には排水中に含まれる油分があり、排水処理施設へ流入するまでに油分を除去しておくことが重要。そこで浮上油回収装置の活用が大いに役立つのです。
ここでは、油含有排水が排水処理設備や環境に与える影響のほか、浮上油回収装置の活用について紹介します。
一般家庭や飲食店、そして食品加工場などでは毎日多くの動植物性油が使われています。その油分を含む排水が排出されることで、排水処理設備の機能低下が生じたり、下水道管が閉塞するといったトラブルを招いています。下水道閉塞については、原因者が特定できた場合下水道管の復旧に必要な費用の支払いを求めることも。
油含有排水についての規制はすでにあるものの、現状では機能しているとは言い難い状況です。規制の対象となる事業場は限られており、規制対象外である日排水量50m3未満の事業場が大半を占めているのです。
また、各自治体では下水道の適切な使用方法や維持管理についての指導を行っていますが、技術的な指導や制度的な対策や見直しが必要だと考えられています。
情報参照元:大塚俊彦 博士論文「油水分離装置導入による排水処理能力向上と環境負荷低減効果の解明」( https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/44642)
実際に油含有排水が引き起こした環境被害の事例もあります。
平成12年、東京都にあるお台場海浜公園にオイルボールが漂着しました。オイルボールの成分を調べたところ主成分は動植物を構成する脂肪酸であり、このオイルボールは一般家庭や事業場から排出された油分が原因であることがわかったのです。下水管道や下水処理場に堆積した油分がボール状となり、雨水に押し出されてしまったのでしょう。
また、埼玉県では、平成27年度における異常水質事故の原因の54.8%を「鉱物油を含む油分の公共用水域への流出」が占めており、そのうち25件は事業場からの排水によるものでした。
油分を含む排水が環境へ与える影響は大きく、公共用水域の水面上に広がった油膜は水生生物の呼吸を阻害します。さらに油含有排水は水環境に悪影響を与えるだけではなく、悪臭などの原因にもなっています。
情報参照元:大塚俊彦 博士論文「油水分離装置導入による排水処理能力向上と環境負荷低減効果の解明」( https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/44642)
一般家庭や事業場などから排出された油含有排水は、排水処理設備にも大きな影響を与えています。排水油が排水処理施設に流れ込むことでスクリーン設備の閉塞リスクが高まります。さらにフロートスイッチの誤作動を引き起こしやすくなり、排水処理設備のトラブルを招いてしまうのです。
また、二次処理ではスカム発生や油膜形成による悪臭、さらには水質悪化も生じます。
そのため、排水処理施設や公共用水域に油分を含む排水を流入させないことが重要です。
排水処理施設のトラブルや環境被害を防ぐためには、排水から油分を除去しておくことが大切です。そこで「浮上油回収装置」の導入がおすすめ。
浮上油回収装置は、水溶性クーラントタンクや工場内の排水槽などに混入した油を回収することができます。そのため工場内の悪臭やコスト改善を図れるだけではなく、排水処理設備の負担低減やより清浄な再生水をつくることが可能。排水処理や環境の問題を改善するためにも、ぜひ浮上油回収装置の導入を検討しましょう。
悪臭や機械停止などのお悩みは、浮上油だけが原因ではないことも。
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浮上油回収に必要な機能を備えた小型仕様。
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