公開日: |更新日:
工作機械を多用する工場で悪臭や機械トラブルなどの原因になるのは、浮上油だけでなく微細な「スラッジ」もあります。スラッジがもたらす影響についてもお伝えします。
スラッジとは、工場の排水や下水、クーラントタンクなどの水中に含まれる浮遊物質のことをいいます。
一般的には汚泥を指しますが、工作機械を使った加工メーカーでは、加工する際に生じる切粉・切削粉がクーラント液(切削液)に混入したものを、スラッジ(微細スラッジ)とよびます。
スラッジが引き起こす問題には、以下のような事象が挙げられます。
クーラントタンク内に混入したスラッジを回収せず、そのまま放置すると、クーラント液を腐敗させたりフィルターの目詰まりなどのトラブルを起こしたりと、加工品の品質にも影響を与えるおそれがあります。
また、大量に切削加工する作業場では、槽内(タンク)の底に沈殿し、タンクの容積を狭め、十分なクーラント液を確保しにくくなります。
タンクの底に沈殿したスラッジによって、加工に必要な量の清浄や切削液などを十分にかけられず、加工不良や面粗度の悪化につながるケースもみられます。
具体的に、スラッジが引き起こした作業場の事例を紹介しましょう。
鋳物加工の現場では、ヘドロ状になったスラッジがクーラントタンクの底に沈殿し、循環ポンプの故障につながるケースがあります。
スラッジによる故障を防ぐにはタンク内の清掃が欠かせませんが、手作業で行うと相当の時間が生じてしまい、作業効率を落とすことになります。
アルミをはじめ金属切削で使用するクーラント液(切削液)にスラッジが混入すると、腐敗を進ませ、更液のタイミングを増やしてしまいます。
廃棄するクーラント液は産業廃棄物ですから、クーラント液の処理にかかるコストも増加。経営上の悩みの種になることもあります。
浮上油回収装置は、浮上油だけでなく微細スラッジも回収できる装置もあります。ただし、スラッジの量や使用環境によってはカスタマイズが必要であったり、導入できなかったりすることもあります。
作業場にどれくらいのスラッジが生じるかを確認したうえで、自社に適した浮上油回収装置を選定することがポイントになります。
悪臭や機械停止などのお悩みは、浮上油だけが原因ではないことも。
そこで、様々な現場に広く答えてくれる浮上油回収装置の中でも、デモ機レンタルで導入検討ができる製品ラインナップを厳選しました。
浮上油回収に必要な機能を備えた小型仕様。
狭いスペースでも収納が可能